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今日も勿論それに変わりなく
渉の前に朝ご飯を並べる。
向かい側に座って一緒に朝食をとる。
「いただきます」
「どうぞ」
「ん……うまい」
「ありがと」
こんな、いつもの朝食風景。
今日はどんな仕事をするの?
帰りは遅くなるの?
聞きたい事はたくさんあるけれど
聞かない。
聞かなくても
昔は知っていた。
聞く前に
教えてくれたから。
アタシは今まで一度も渉の仕事について口を出した事が無い。
モデルと言う特殊な職業の彼。
絶対に渉を褒めたりもしない。
そんな事をしたら
貴方は調子に乗るもの。
でも、本当は
アタシが1番に貴方を褒めてあげたいんだよ。
傲慢な態度の裏側で
貴方が頑張っている事は
アタシが1番良く、知っているから。
「美夕(ミユ)…」
いつもの時間
いつもと同じ時間を破いたのは
渉だった。
神妙な面持ちでアタシを見つめる。
「何?」
何か、なんて
聞かなくても解ってる。
この時間に
迷いや疑問を感じているのは
アタシだけじゃない。
「あのさ…」
二人過ごした時間が出した
答え、は?
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