其ノ一 ~山彦~

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    ここは自然が多く残るとある村。   「う~ん、着いた着いた。」   人が少ない駅で、一人の青年が背伸びをしながら言う。 見た目は二十代前半と思われ、短い黒髪、藍色の着物と言った風貌をしている。 また、手には風呂敷に包まれた荷物を持っている 瞳の色は黒だが、光りの加減で青みがかって見える。 そして、右目には少し長めにしている前髪が少しかかっている。 彼の名は、笹川 壱(ササガワ イチ)。   「ここなの?壱。」   壱の隣にいた女が言う。 見た目は壱と同じくらいの年齢だろう、かわいらしいという印象を受ける。 肩ほどまでの髪で、着物を着ている。 女の名は、はる。
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