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「そうだよ。えっと…」
壱は、はるにそう返し辺りを見回す。依頼主を探しているのだ。
壱には不思議な力があり、不思議なもの達と接することや悪いもうを払う事が出来る。その力を活かし、不思議な事に関する依頼などを受け付ける萬屋(ヨロズヤ)を営んでいる。実際のところ、どんな依頼でも受け付けるような萬屋になりつつあるが…。
「あ、あれかな。」
目的の人物を見付けたらしい壱は、歩き出した。はるもその後に続く。
「こんにちは。あなたが、遠野 一(トオノ ハジメ)さんですよね?」
壱が、にこりと笑いその人に声をかける。三十代になる位の人だろうか。
「こんにちは。はい、そうです。どうも、こんな所までわざわざすみません。」
一という人物は頭を下げて言った。
彼が今回壱に依頼をした人だ
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