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「帝都にいる私の友人から聞いていると思いますが、今回依頼したのは山で起こる事に関してです。」
一の言う通り、壱の所に直接来たのは一の友人と名乗る者だった。
壱が頷くのを確認すると、一はまた話し始める。
「訳あって、山の一部の木を切らなくてはならなくなったんです。
もともと伐採に賛成する者はいなかったのですが、仕方なく…。
それで、木を切り始めたんですが…」
一の表情が暗くなり俯く。
「日を追うごとに、伐採に参加している者の中から怪我人や病人が出始めまして…。約半分の者がすでにそのような状態になっております。
また、怪我を負った者の中には木が襲って来たと言う者もいて…。
人々は口々に言っています。山神様のお怒りだ…と。」
「山神様とは?」
壱の問いに、一は顔を上げた。
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