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いくらか山を登った時、切株を見付けた。数本の木はすでに切ったらしい。
さらに、周りの木を壱は見上げる。
『傷んでいる…?いや、傷付いてるって感じか…?』
そんな事を思い、さらに奥へと行くため歩き出す。
「まだ奥に行くの?」
壱と同じように、木を見上げていたはるが壱が歩き出したのに気付き、小走りして壱の後を追いながら聞いた。
「うん。山神様に会わなきゃね。」
壱は笑顔で言った。
二人は黙々と歩き続けた。
先程よりも大分山奥に来た頃、壱が立ち止まる。少し開けている所だ。
はるが何事かと首を傾げる。
すると、
「おーい、山神様ー、出て来て下さーい。」
壱が突然大声で叫び出す。
はるは驚きその場に立ち尽くす。
辺りは静まり返っている。
ざわざわと木々がざわめく。
「う~ん、だめか。」
そう言い、手を顎にあて少し考え込む壱。
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