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『あっ先輩、財布みつからないんですよ…』
暗い中から少し泣きそうなカオリちゃんの声がした。
"…言いづらいなぁ…"
『ゴメン!!財布教室に置き忘れてたみたいだ。』
『えっ!?あったんですか!?よかったぁ。あたしなくしちゃったかと思いましたよぉ』
『ゴメン…こんな夜遅くまで、おれの不注意で…』
『もう、財布見つかったんだからいいじゃないですか。さっ、早く帰りましょう。』
そういって歩き出したカオリちゃんのローファーは
入学したばかりの1年生の物とは思えないほど泥だらけになっていた。
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