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人間一人一人が地球を創ってるってのは多分ウソで、今日俺が死んでも、明日人間が消滅しても、地軸がきっちり傾いたまんま地球は何食わぬ顔で回る。
「母なる大地」はきっと俺たちを寄生虫程度にしか思ってないんだ。
でもそんなことは今はどうでもいい。
とりあえず冬休みの宿題だ。
「課題は出さない、テストは赤点。そんなやつが卒業できるか!」
担任の怒鳴り声がでっかい飛行機みたいに俺の頭に着陸する。
始業式は来週だってのにひとつもやってない。
さすがに卒業はしないとヤバイよなぁ………。
「わたし………アヤタ君のことが好きなの。」
でもあと3日足らずで高校最後の冬の課題を終わらせるのはちときびしぃよなぁ………。
「なんていうか………ちょって変わってるっていうか?クールっぽいとこが好きなんだよね。」
やっぱあいつに手伝ってもらうしかないか………。
「ねぇ………ちょっと聞いてる?」
「あんた冬休みの課題終わってる?写させてくれるんなら付き合ってもいいよ。」
雲一つない青空のした、気持ちいい炸裂音があたりに響く。
俺の左ほほに痛みを、そして名前も知らない女の子の悲しみを残して………。
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