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私は、龍樹をにらみつけて、
「あのね。私、龍樹以外に好きな人いるから。」
「…伊藤だろ。伊藤脩平。」
「……。」
バレていたみたいだ。
私が、伊藤先生と付き合っていた事。
私は、それ以上何も聞かれぬよう、早足でマンションに帰った。
マンションに着くと、鍵をかけたはずなのに、何故か開いていた。
男の革靴がある。
まさか、空き巣!?
変な想像をしながらも、部屋を恐る恐る、覗いた。
「…先生?」
そこには、ソファーに寝そべる伊藤先生の姿があった。
「あ、真優。帰ってきたか。」
「『帰ってきたか』じゃないですよっ!!何でここに…?」
「お前に会いたかったからに決まってんだろ。」
先生はそう言って、私の顔をかなら近くでマジマジと見る。
私は、顔を紅潮させた。
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