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(真優)
大学の講義も終わり、私は帰る準備をする。
「真優、帰ろーぜ。」
決まって、こうやって誘ってくるのが龍樹。
これじゃ、私が半分浮気しているみたいじゃないの…。
―それに…。
「龍樹、アンタ、彼女いるじゃない。咲ちゃんと帰ってあげなって。」
咲ちゃんというのは、野村咲絵ちゃん。
国文学科所属の1年生。
龍樹とは仲良し。
でも、龍樹は…。
「何言ってんだよ。俺は、咲絵が好きなんじゃない。真優が好きなんだ。
何で付き合ってくれねえの?
結構なイケメンなのに。」
―ただの自意識過剰だ。
私は、こういう人間が苦手。
所詮、人間は顔より性格なんだ。
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