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泣かないで…大丈夫わたしは幸せよ…
「あなたとわたし」
…鈴の音が水の中に響いてわたしに届く…最初は怖かった…だってあなたは「ネコ」だから…
…だけどあなたは…何か違ったの…他のネコと…
いつも…いつもわたしを見ているけど…あなたは必ず何もせずに帰ってしまうから…
いつの日からあなたに見つめられているのが嬉しかった…
あなたの綺麗なエメラルドグリーンの瞳はわたしだけを見ていてくれて嬉しかった…嬉しくて嬉しくてわたしはあなたのために水の中で踊った…
あなたにずっと見ていて欲しかった…
…だけどあなたはいつもどこかえ帰ってしまう…
あなたに近づきたい…話しかければ良いのにね…
だけどわたしは勇気が無かったの…わたしは「魚」であなたは「ネコ」だから…
ある日あなたはわたしの所に来た…だけど…あなたは酷くやせ細っていた…
いつものようにわたしを見るあなたの瞳…とても綺麗で吸い込まれそうだった…
あなたはわたしを食べようとした…だけど…手を止めたの…嬉しかった…だけどとても悲しい顔をしていた…
あなたのそんな顔を見たくないからわたしは…
「ネコくん…いいよ」
わたしは初めてあなたに声をかけた…それはあなたにとって残酷な言葉だった…
だけど後悔はないよっだってわたしは真っ白な骨になったけどあなたにずっと…ずっと…生きていて欲しかったから…
…わたしは川のかわりに風を泳いでいるの…いつもあなたのそばを泳いでいるのよ…
…だから泣かないで…あなたが寂しい時はあなたの頬を優しく撫でるから…辛い時は後ろから押してあげるから…
大好きだよ…わたしだけのネコくん…あなたの幸せをいつも祈っているから…
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