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2人がドアを開けたと同時に
館の2階から大きな物音が聞こえた
不意に2人は開けたばかりの部屋の中に飛び込んだ
2人は飛び込んだ部屋のドアをまた再び閉め
少しだけ開けた隙間から外の様子を見ていた
慎夜
『今の音は何だ?
ちょうど真上でしたよな?』
カンナ
『慎夜お兄ちゃん、静かにして…足音がするよ』
静まり返った館に鳴り響く足音
歩く度に館の床が軋み
ギィ…ギィ…
と音をたてている
何かがいる
今2人にわかるのはそれだけだった
ただ2人は音が止むの待つ事しか出来なかった
足音が2階から
降りてきた
慎夜達が飛び込んだ部屋はちょうど階段の向かいの部屋だった
一歩また一歩
足音が近づいてくる
ゆっくりと、ゆっくりと
慎夜『もしかしてバレてる?…』
最悪だった
もしバレているなら
今この状況は智樹を助ける所ではなく
自分たちの命が危ない、今すぐにでもこの場から逃げ出したかった
階段から降りてくる足が見えてきた
見た目は人と変わらないが
やはり目線を足元から上にやっていくと、その正体は『あいつ』だった
階段を降りる度に、ドスンと大きな音をたて降りてきている
『あいつ』が手に何かを持っていた
いや持っていたのではなく
力無く引きずるようにして何かを持って来ていた
そして『あいつ』
は階段を降りきったら
迷う事なく慎夜達が飛び込んだ部屋に向かって来ていた
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