初恋 2

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 眩しいくらい清潔な印象の男の子。   「はじめまして、新井光紀です」 「……ハジメマシテ」    放課後、康利から指定された校門前。一人待つあたしに、新井君は、ぺこりと会釈した。   「いきなりゴメンね、形梨さん……僕の方から呼び出したのに、待たせちゃったみたいで。部活……サッカー部、中々抜けられなくて」   「や、その……アライ、さん?」    なんで康利は一緒じゃないの?    行き交う生徒たちの中、康利の姿を求めて目が泳ぐ。三人でって聞いたような気がするんだけど……。   「うん、ちょっとね、康利には外して貰った。彼の前だと、言いにくい事だから」    ガクの人工的に着色しまくった茶髪とは違う、天然で色素が薄い柔らかそうな髪に夕日が反射する。   「なに、かなぁ」   「うん。形梨さんの事が好きです。それだけ、言いたかった」    は……?    あたしの耳はいつから壊れてるんだっけ?   「ゴメンね、もちろん彼氏……康利いるの知ってるし、付き合って欲しいとかそういうんじゃないから」   「あ、うん」    にこおっ。    新井君は、無邪気な犬みたいに笑って、自分の髪をくしゃくしゃにした。   可愛い、ひとだね。   「だよね。いきなりこんな事言われても困るよね。うん。じゃあ、練習戻るね」   「頑張って」    手を振って新井君がグラウンドに走っていく。  ピリピリピリ……   「わあっ!」   【着信:松沢康利】   「やっぽー」   「……悪趣味…」    校門の、銅像に隠れていた……らしい……康利が、にやにや笑いながらPHSをポケットにしまった。   「あんたの友達に、告白されたんですけど」   「勇者だよなぁ」    うんうん、じゃねぇっつーの。   「なんかいい人みたいだけど断ったから」   「断ってねぇじゃん」    あれ? そうだっけ?   「なんか面白そう。付き合ってやれよ、俺公認で」   「は……もう別れ話?」   「ちげぇよ、公認で浮気……面白くない?」
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