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頭に浮かぶのは彼のことばかりだ。
彼はめちゃくちゃなやつだった。
男だ女だなんて関係なくて、高校に入っても小学生の様にはしゃぎまわっていた。
毎日遊びを欠かすことは無く、誘われて断るのはテスト前くらいで、それでもむかつくくらい成績は良くて。
憎まれないキャラで皆の間を跳ね回っていた。
そんな彼が私はとても好きだった。
幼馴染みの恋愛感情なんて定番で嫌だったけど、なってしまったものはしょうがなかった。
中学の頃に好きだと気付いてからずっと、今も好きだけれど告白なんてできなかった。
それに告白なんてしなくとも私たちは周りから誤解を受けるくらい一緒にいたから、私はそれで満足だった。
小さい頃から学校の登下校は常に一緒だった。
さすがに高校に入ってからはやめようかと思ったのだが彼が拒否したのでしょうがなく、内心嬉しく、彼の横を歩いていた。
それに、色んなところで色んな人たちと遊んで疲れると、彼は必ず私の元に帰って来るのだ。
皆の所を飛び回った後で必ず私の肩にとまるのだ。
だから私も少し自惚れていたのかもしれない。
私は彼を癒す止まり木になれるのだから、恋人なんてものにはなる必要がないと。
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