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「畜生……」
くやしい。死ぬほど悔しい。何もかも当たってるのが悔しい。全てが、悔しい。
「……畜生……」
何でだ? 何でこんなに悔しいんだ? そういえば、畜生なんて声に出していったの、初めてかな。
所詮、俺のプライドなんて、そんなものだったのか。俺の自身なんて、そんなものだったのか。
いい加減、校庭を出る。何時までもここにつったってるわけには行かない。
さっき、つまらない意地なんて張らずに、いえばよかった。『お願いします、教えてください』その一言でよかったんだ。そうすれば、あんな事言われずに済んだんだ。
「俺ってバカだ」
そう言って、ふと気付く。自分で、自分のことをせめたのは、初めてだ。
今まで、全部人のせいにしてきた。自分の罪を人に擦り付けて、逃げてきたんだ。
ウソばっかついてきた。今日、監督に言われるまで、ずっと気付かなかった……。
「……」
明日、校庭に行ったら、また、何か言われるかもしれない。また、傷つくかもしれない。また、悔しい思いをするかもしれない。
それでも行きたがってるのは、土下座してでも知りたい何かが、そこにあるからだ。
「ただいま」
家に着き、挨拶をいう。そして、自分の部屋に行きながら、思う。もう、腹は決まった。
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