→-1

3/7
前へ
/28ページ
次へ
「次に、スライディングだ」  一呼吸おく。グラウンド上の静けさがいっそう感じられる。 「スライディングは、スピードを最小限に落としベースにタッチしなければならない。そのためには、遠すぎず、近すぎずの距離でスライディングをしなければ駄目だ。お前に、コレらができるか?」 「出来ます」  出来る。いや、出来なくてはいけない。どんな事をしてでも、これらをマスターする。   時計を見ると長針が7のところで止まっていた。いい加減、練習を始めなくてはいけない。   「よし、練習をはじめるか」 ・ ・ ・ 「大丈夫かよ、盗塁するのか?」 「もちろん。なんのために代走やってんだよ」  キャッチャーが少し動く。同時に、ピッチャーからのけん制。かなりリードの幅はでかかったが、楽々セーフ。ピッチャーは首をかしげている。    真鯛、そこにいるんだろ? けん制なんてセコイ真似、ピッチャーにさせんじゃねぇよ。   足元を均す。そして少しずつリードをし始めた。 「START」  ピッチャーが足を上げる。クイック。それと同時に速水がスタート。走りかたが前と違く、土煙が上がらない。  
/28ページ

最初のコメントを投稿しよう!

2人が本棚に入れています
本棚に追加