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「セーフ!!」  後ろを見ると、サードベースに手を触れている速水がいた。キャッチャーの方を向き、薄ら笑いをしている。 「フックスライディングか」 「え?」 「いや、なんでもない」  真鯛が、一言つぶやいたあと、巧みなリードで五番、六番を連続三振。ツーアウトとなってしまった。  フックスライディングとは、姿勢を低くし、膝を折り曲げることによってタッチを回避しやすくしたスライディングだ。しかし、次の動作に移りにくいという欠点がある。 「ここからだな」  監督が、一つのサインを出す。それは、放課後練習に二人できめた、極秘のサインだ。
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