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「2-1で、7中の勝ち!礼!!」
「「有難うございましたーー!!」」
互いに頭を下げる。しかし、方や嬉々としていて、方や落胆の表情を浮かべてい
る。
速水も下を向き、険しい表情を浮かべている。
皆ダッグアウトの荷物を掃除し、グラウンドを後にしようとしている。しかし、速
水は用がまだあった。
(あのキャッチャーはどこだ?)
少し、話をしたい。ムカツクとか、ウザイとか、それ以前に、この俺を始めて盗塁
で刺した奴と話してみたい。
風が吹き、土煙が舞う。砂が目に入り、刺さるような感触。
「お前、俺に様があんじゃないの?」
びくっとして、声のしたほうを向く。そこには、意外にも俺の目当ての人物が立っ
ていた。
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