484人が本棚に入れています
本棚に追加
授業も終わり昼休み
四人は公園の机の上にナツキの作った弁当を広げた
ナツキが毎回弁当を作って、皆が食べる
これが四人の日常だった
弁当を口にしながらユウヤが、あの話題をもってきた
「さっきのヒロシの話、本当か?」
「何だ。聞いてたの?」
ナツキが言った
「何だ?ヒロシの話って?」
コウスケは聞いていなかったようだ
ナナは一通りコウスケにヒロシの自殺の話をした
「そうだったのか」
コウスケは深刻そうに言う
「別にそんな顔しなくても大丈夫よ。コウスケもかなり迷惑してたじゃん」
ナツキが卵焼きを口に頬張りながら言った
「まぁな。でもなぁ...やっぱ身近な奴が自殺ってなると...」
「あ!思い出した!」
ナナは急に声が大きくなった
「何を?」
三人が同じタイミングで言った
「その自殺したビルの屋上に遺書みたいなのが置いてたんだって!」
「んなの。自殺なら普通じゃん」
ユウヤは期待外れ的な顔をした
「その遺書が問題なの。なんか一言“呪ってやる”って書いてたそうよ。んで、誰か呪われるんじゃかいか!?って噂なの」
三人の箸が止まる
「何か気味悪ぃな」
コウスケが言った
「でも、アイツの大学でもイジメられてたらしいじゃん。俺達には関係ないさ」
だったらいいんだけど...
四人はそう思った
いや、思いたかった
キーン コーン カーン コーン
タイミングよくチャイムがなった
四人の昼休みは、ヒロシの噂の話で終わった
最初のコメントを投稿しよう!