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ある民間の隅っこで、俺は生まれた。
俺は餌に飢えていた。
しかしまだ一人で飯を調達に行けるほど強くないし度胸もない。
ならばと俺の親がカサカサと走って行って餌を取ってきてくれた。
あの、少し日がたって酸味のあったポップコーンの味‥‥今でも忘れない。
俺はまだ空腹だった。せがむと親は優しく笑い、またカサカサと台所に這っていった。俺はワクワクしながら親の雄姿を物陰から見ていた。
だが次の瞬間、
親は突如振り降ろされた人間のスリッパにより、体液をそこら辺に巻き散らしてぺしゃんこになってしまった。
あまりにシビア。あまりに儚い。
今、思い出しただけでも涙が溢れる。
おのれ。許すまじ人間。
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