知らない天井

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知らない天井

友達と遊びに行きたかった。 親の言うことも聞きたかった。 でも両方で正反対の事言うんだもん…出来るわけ無いじゃない…。 ちゃんと友達と合わせようとしたよ? しっかり、お父さんの言うこと聞こうとしたよ? たまに友達と遊びに行くと帰る時間が遅くなって、お父さんが私に怒鳴る。 「早く帰ってこい!それが出来ないのであれば、どこへでも行ってしまえ!」 と。 でも、どこへも行けない。 だって私には帰るところがお父さんの元にしかないのだから。 だから出来るだけ友達の誘いも断っている。 あまりに協調性が無いから、陰で沢山嫌な事を言われ続けて来た。 それでも私は友達と合わせようとした。 ちゃんと同年代の女の子の様に、オシャレもしたかった。 お買い物もしたかった。 恋バナもしたかった…。 でも、それももう叶わぬ願い。 何故なら私は… 自分の寄り所であるお父さんを、殺してしまったのだから…。
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