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「あっでも、あんまり気取ったことはやめてくださいね!?」
(朔さんなら様になるだろうけど私じゃ世界が違うし)
「それは残念」
朔は微笑みながは呟く。
着いた場所は、海が近くに見える小さなレストラン。
「えっ食事ですか?」
「嫌?」
「いえ、ただあんまり持ち合わせないんですが……」
「そこは気にしなくても大丈夫だよ。今日は僕のおごり」
笑いながら夢の手を取り、レストランに入った。
入ってみると、そこは綺麗な内装のレストラン。
「気取った所はいぃって言ったのにぃ……」
「気にしないの、好きなの注文していいよ」
朔は夢にメニューを渡す。
「うーん……難しい」
聞いたことのないような料理ばかりで夢は困っていた。
「ご注文はお決まりで?」
店員さんがやって来る。
(どうしよー!)
夢は一人焦る。
「じゃあコースを2つ」
朔がそう言った。
店員さんはかしこまりました。と言うと、裏方の方へ行ってしまう。
夢はきょとんと朔を見た。
「勝手に決めちゃった」
笑いながら言った。
「いぇ、ありがとうございます」
夢は軽く頭を下げる。
「いや、これは僕の自分勝手」
そう言ってくれた。
(さりげなく優しいんだ)
夢は笑顔になる。
その後出てきた料理はどれも綺麗でおいしくて、夢は幸せな気分になった。
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