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「やっぱり夢ちゃんはおいしそうに食べるよね」
朔が微笑む。
夢は顔が赤くなっていく。
「いやっそんな……」
「見てるこっちが嬉しくなっちゃうよ」
そんな朔の発言に、夢はただ顔を紅潮させてしまった。
「ごちそうさまでした」
お店を出ると、夢は朔にお礼を言った。
「いーえ」
朔はなんだか嬉しそうだ。
夢は周りをキョロキョロ見渡す。
「あっ!せっかく海が近くにあるんだし行ってみません?」
と朔の手を取り、海岸を指差す。
「いいですよ」
2人は自然に手を繋いで、海岸の方へ向かう。
もう周りは暗くなっていて、月が出ていた。
月明かりに照らされながら、ゆっくりと波をうつ海。
周りに人はいなくて、波の音以外なにも聞こえない。
「なんか落ち着くなぁ」
「ですねぇ」
2人は月明かりに照らされて、波に合わせてキラキラと輝く海をただ静かに見ていた。
夢は朔の肩に頭を置く。
なにか言われるかな?
とか考えていたが、朔はただ黙って夢の肩を抱いた。
(やっぱり……私、朔さんが好きなんだなぁ)
夢はゆっくり目を閉じて、波の音を聞いていた。
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