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「私……朔さんが好き」
夢は自然に口に出していた。
自分でもびっくりして、思わず手で口を隠す。
(えぇっマジですかぁ!?)
とりあえず、朔の反応を見ようと夢は顔を上げた。
朔の顔は笑っていたが、どこてなく辛そうに見えた。
(こりゃ振られたなぁ)
と顔を下にする。
すると朔は、夢をぎゅっと抱き締めた。
不思議に思ったが、抱き締められているため身動きが取れない。
朔の表情もわからない。
「僕も……」
朔はゆっくりと口を開く。
「僕も、夢ちゃんが好きだ…….」
声は小さかったけど、確かに聞こえた。
夢は嬉しくて、朔の背中に腕を回してぎゅっとした。
「好き、好き、大好き!」
夢は何回も言った。
「僕もだよ……」
その度に、朔はゆっくりと頷く。
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