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それから2人は付き合い始めた。
朔はほぼ毎日迎えに来てくれる。そして少しだけデートをしてから夢を家まで送り届けるのだ。
今日は学校の近くにある小さな公園に来ている。
遊具は錆びれたブランコと滑り台だけ。
あまり人も来ない小さな公園。
そんな公園のベンチに座り、2人は話していた。
「ここって、遊具とかはあまりない錆びれた公園だけどさ、周りにある木とかはすっごく綺麗なんだよ」
朔は木の葉を一枚拾う。
木の葉は綺麗に色付き、冷たい風に流されながら、少しずつ……
地面に赤い絨毯を作っていく。
「ほんとに綺麗……」
木々を見上げて見ると公園の端っこに、ひときわ大きな木が一本立っていた。
「あの木はすごいんだよ」
夢が大きな木を見つめていると、それに気づいた朔が話し始めた。
「あの木はね、ちょっと前に雷に打たれて倒れたんだよ」
「うそ、そんな風には見えない」
「あの木は、この公園ができた時から、ずっとあるんだ」
それから朔は語りだした。
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