出会い

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「お前さ、もう少し女の子らしくした方がいいぜ」 「……へっ?」 「オレ、正直無理っぽいんだよね別れて?」 10月の初め。 夏の暑さがだいぶ弱まり、町の雰囲気はやっと秋らしくなってきていた。 「くっそぉ―――――――っ!!秋が恋の季節なんて絶対に嘘っぱちだぁ!」 先程別れを切り出されていたこの女の子の名前は金山 夢(カナヤマユメ) 元気いっぱいの高校2年生だ。 「あーあ、イライラする!」 夢は行く宛てもなく、ただ町中を歩いていた。 「そーだ!この辺ならお気に入りの喫茶店があるんだった」 夢は大の甘い物好きなのだ。 「あそこのケーキめっちゃおいしいんだよなぁ、よし!今日はやけ食いしちゃおっと」 夢はとある小さな喫茶店に入っていった。 カランコロン (あっ……人多っ!!) 入ってみると、喫茶店は見るからに満席のようだ。 (最悪……) 夢はため息を吐く。 「夢ちゃん、ごめんねぇ 今満席でさ、なんなら相席でもいいかな?」 喫茶店のマスターが申し訳なさそうに言った。 ここにはよく来るため、もちろんマスターとは顔見知りだ。 「うーん……」 夢は考える。 (どうせ今帰ってもすっきりしないだろうしなぁ) 「大丈夫ですよ」 夢はにっこりと返事をした。
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