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(うーん、やけ食いのつもりで来た訳だし、とりあえず目の前の人なんか関係なく行くか!)
「すみませーん」
夢は結局、紅茶を1杯とケーキを4つ頼んだ。
「おっと、やけ食いですか?」
マスターは笑いながら言った。
「そーなの、失恋しちゃってさ」
と、ため息をつきながら言う。
「じゃあ紅茶はオレからのサービスにしといてあげるから」
マスターはウインクをする。
「さっすが、マスター大好き!」
夢は少し元気が出た。
「お待ちどうさま」
マスターは紅茶とケーキをテーブルに置いた。
「やっぱおいしそうだぁ」
夢はご機嫌でケーキを一口。
「めちゃうまっ!」
といつもは叫ぶ所だが、さすがに今回は叫ばない。
(いくらなんでも、それは恥ずかしいしねぇ)
ちらっと小説を読むことに集中している目の前の人を見た。
その姿はとても様になっていて、つい見とれてしまうが、夢はハッとしてケーキを再び食べ始める。
ケーキはあっという間になくなり早々1つ目完食。
(めっちゃうまぁい!!)
心の中で何度も叫びながら、2つ目に移ろうとした瞬間、男の人と目が合った。
男の人は突然ぷっと笑う。
「えっ?」
夢はわけが分からず、頭の上にたくさんのはてなが浮かんでいた。
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