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それから何日経ったんだろう
空っぽの心だったけど、自分の気持ちに振り回され続けていたある日
この日のことはユリ自身は無意識の出来事だった
夕方までの仕事を終えた…
気付いたら勝也の家の近くに車を停めていて、横に勝也がいた
左手首2ヵ所から血がしたたり落ちていた
傷は、この前より、はるかに深いし、痛い
『なんで、そんなことしたんや!バカなこと考えるなよ…ちゃんとご飯食べなアカンで ちょっと寝ぇや』
そう言った勝也の胸にもたれたユリ
心臓の音がとても大きく聴こえていた
〈あっ!タカのとこに行くって言ってたんだ〉
ユリはそれだけは覚えていた
「もう帰る…大丈夫だから…ごめんね…ごめんね」
何度も勝也に謝った
『もうバカなこと考えんなよ…帰ったらメールしてや』
勝也は優しかった
優しくキスもくれた…
まるでハレモノに触るかのように…
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