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激しい蝉の鳴き声が聞こえている、広くはない公園が見える窓のある病室のベッドに女性が座っている、成長した桜庭葉子である。
相変わらず表情はすぐれないものの、とてもおしとやかな美しい女性へと成長していた。
コンコン
「はい。」
病室のドアが開き看護士が入ってきた。
「葉子さん、気分はどうですか?」
彼女は山岸名津美、葉子を担当している看護士の一人である。
「よくもなく、わるくもないです。」
「そう、お散歩でも行きますか?」
「いいえ、いいです。」
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