2章

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「葉子さん、つらい?」 「ううん、最近はだいぶましよ、名津美さんのおかげかな。」 「本当に?ありがと。」 「散歩はいいから、少しお話相手になってもらっていいかしら。」 「ええ、いいわよ。」 葉子は名津美に昔話をしてもらった、自分には無かった青春時代の話を、時折辛そうな顔をしながら話を聞いていた、無理もない彼女の青春時代はずっとベッドの上だったのだから、卒業式の時も、成人式の時も、ずっと、ずっと。 それでも‥、いや、だからこそ聞きたかった、普通に過ごして来た人の思い出を、自分には過ごせなかった時間を。
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