3章

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五月蠅いほどの蝉の鳴き声が響いている、葉子はベッドに座り窓から外を眺めている、それを観察する様に病室の隅にはソードが立っている、どうやら葉子には見えていないようだ。 するとノックと共に山岸名津美が病室へと入って来た。 「おはよう葉子さん、検温よ。」 「はい‥‥。」 ここ二週間ずっと側にいたソードは少し違和感を感じた、いや、側にいたからではなく死神だから感じたのだろうか、山岸名津美は体温を計り終え病室を出た、すると葉子が大きな溜息をついた。 「はぁ‥‥、もう、いいよね‥‥。」 葉子の目には少し涙が見えた、しかしその目は何かを強く決心した、そんなまなざしをしていた。
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