3章

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「はい、私達死神の仕事は死んだ人間の魂を天界に導くことです、しかし自殺した人間は導くことはできません。」 「なぜ?」 「人は死ぬと魂となり天界へ行き、生まれ変わる時期を待ちます、しかし自殺した人間は魂になれない、つまり死んだ時点で消えてしまうのです。」 「消える‥‥。」 「そうです、そして二度と生まれ変わる事はできません。」 「そうなんだ‥。」 ソードはいきなり大きな声を上げた。 「しまった!余計な事を喋りすぎた!今の忘れて下さい。」 「ふふっ、努力するわ。」 少しの間の後、ソードは今回の事をスレイブに報告しなければ、そう思い引き返すことにした。 「では、私はそろそろ失礼します。」 「あらもう?」 「はい。」 「そう残念ね‥。」 葉子は寂しげな表情をしていた、自分に死を宣告しにきた者に向ける表情ではなかった、その顔にソードの胸はまた締め付けられる思いがした。 「‥‥‥、また、明日もきますから。」 葉子はニコリと微笑みソードを見送った。
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