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「冗談でもそんな事を言うんじゃない!」
「お父さん‥‥。」
「いいか、葉子の病気はけして治らない病気じゃない、昔に比べたら少しづつ原因もわかってきてる、‥‥‥ただ、まだ治療法がないだけだ、医学は進んでいる、研究も続けられている、もう少しの辛抱だ。」
「そう言ってもう何年?」
「葉子‥‥。」
「あと何年待てばいいの!もううんざりよ!!」
いつもおとなしい葉子が感情をあらわにして怒鳴った、その言葉に庄之助は何も言葉が出てこなかった。
「ごめんお父さん‥‥、今日はもう‥‥‥。」
「葉子‥‥、わかった。」
病室を去ろうとする庄之助。
「お父さん!」
庄之助は病室のドアノブに手を掛けたまま立ち止まり、振り返った。
「‥‥‥ごめんなさい。」
「わかってる、気にするな。」
そう言うと庄之助は寂しそうに病室を出ていった。
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