4章

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「怖くないのですか?」 「ええ、もう覚悟は出来ていたもの。」 葉子は窓から遠くを見た。 「覚悟……、やはり貴女は……。」 「え?」 「覚悟と言うのは自殺する事ですか?」 「え!どうして?」 「先ほど言いましたよね、死期の近付いた人間にしか私達は見えないと。」 「ええ。」 「貴女の死ぬ予定日は二十二日です、本来ならまだ私の姿は見えていないはずです。」 「つまり?」 「つまり、貴女は何時死んでもおかしくはない状態にいると言う事です。」 「そう…。」 「まだ自殺する気ですか?」 「分からない…、気持は早く楽になりたいと思ってる…、でも…。」 「でも…?」 「私には死ぬ事さえ出来ないの、窓はあるのにそこまでいけないし、他にも色々考えたけど…。」 「葉子さん…。」
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