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ソードは黒い本を取り出し葉子に見せた。
「この本があれば、その力を使う事が可能になります、ただ…。」
「ただ?」
「過去へ行けるのは貴女の魂だけです、意識のみが過去に跳ぶ事ができるのです。」
「そう、でも身体ごと過去に行けてもこの身体じゃ動けないものね。」
「あ!そこまで考えていませんでした。」
「意識だけなら動き回る事は出来るかしら?」
「それは可能だと思います。」
「良かった。」
「ただ…。」
「まだ何か?」
「この本によると、過去の人間には貴女の姿は見えないようです、魂だけの状態になりますから。」
「見えないの…。」
「はいですから…、先日言っていた彼と話をすると言うのは不可能かもしれません。」
「そうなの…。」
「すいません、力不足で。」
「いいのよ、過去にいって正彦君の姿を見るだけでも。」
「それだけでも構いませんか?」
「ええ、お願い出来るかしら?」
「はい!では早速、目をつむって過去を思い浮かべて下さい。」
「はい。」
ソードが禁書を開き葉子の顔の前に手をかざした、すると禁書は不思議な光を放ちその光は二人を包んだ。
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