5章

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ソードは黒い本を取り出し葉子に見せた。 「この本があれば、その力を使う事が可能になります、ただ…。」 「ただ?」 「過去へ行けるのは貴女の魂だけです、意識のみが過去に跳ぶ事ができるのです。」 「そう、でも身体ごと過去に行けてもこの身体じゃ動けないものね。」 「あ!そこまで考えていませんでした。」 「意識だけなら動き回る事は出来るかしら?」 「それは可能だと思います。」 「良かった。」 「ただ…。」 「まだ何か?」 「この本によると、過去の人間には貴女の姿は見えないようです、魂だけの状態になりますから。」 「見えないの…。」 「はいですから…、先日言っていた彼と話をすると言うのは不可能かもしれません。」 「そうなの…。」 「すいません、力不足で。」 「いいのよ、過去にいって正彦君の姿を見るだけでも。」 「それだけでも構いませんか?」 「ええ、お願い出来るかしら?」 「はい!では早速、目をつむって過去を思い浮かべて下さい。」 「はい。」 ソードが禁書を開き葉子の顔の前に手をかざした、すると禁書は不思議な光を放ちその光は二人を包んだ。
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