7章

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「あら、大袈裟ね。」 「だって!あの日は来てくれなかったから!」 「あの日?」 「約束は一週間前だったじゃないですか、あの日は泣きそうでした…。」 「そんなに時間がずれてしまったのね…、本当にごめんなさい。」 「いいんです、今日こうして会えたんですから。」 「もしかして、あの日からずっとここで?」 「はい!あ、気にしないで下さい、きっと何か理由があったんでしょ、信じてましたから。」 「正彦君……。」(こんなにも優しい、こんな彼が…。) 「本当によかった、信じて。」 「ごめんなさい!私のせいで…。」 「全然平気ですよ。」 「違うのよ!学校でいじめられてるのよね…。」 「ど、どうしてユウコさんが…。」 「私の…、私のせいで…。」 「ユウコさんのせい?そんな事ないですよ、僕がどんくさいから、ハハ。」 「正彦くん……。」 葉子の目から涙があふれ止まらなかった。
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