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「やばいって…今の本物だよな?人が殺されたんだよな?
俺はそれを見てたんだ!殺される……?」
ジュンは後ろを振り向かずに走り続けた。どこに向かっているかなど考えていない。隠れることができそうな場所を探して走っていた。
「どこかに隠れないと……」
狭い裏路地の奥のゴミ置き場にジュンは飛び込んだ。
時間が経つにつれて頭が冷静になっていく……
ジュンは落ち着いて今起こったことを順に思い出した。
「まず、あれが殺人なら犯人は追ってこないか……?わざわざ人目に飛び込むようなものだし……
ええと、犯人の顔は真っ暗だったからな……全くわからない」
「……最初の一発。
これで片方の奴は腹に弾を受けてたよな。そのあともみ合いになったけどすぐに決着がついたみたいだった。
それでとどめにもう一発。って感じか?」
ジュンは落ち着いて答えを出せた。
「はぁ…なんなんだよ俺……日本一不幸な人間じゃないのか?」
ジュンは顔を手で覆ってため息をついた。
『カサッ』
「ん?なんだこれ?チラシか?すごいボロボロだ……何年も雨風にさらされてる感じだな。
えっと…
『坂崎……た…ん…てい…事務所?』
ああ、『坂崎探偵事務所』か。
なんだこれ?もしかしてここ事務所か?ゴミ置き場かと思ってた……」
よく見るとゴミの中には山ほどチラシがありその奥を見ると階段があった。
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