第二章:探偵

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見知らぬ男と二人でテレビ鑑賞。 なんの罰ゲームだろう。正直早く帰りたい。 「あの…ここって探偵事務所……ですよね?」 「…そうだよ。僕は“天才”探偵の坂崎 一郎(サカサキ イチロウ)。君は?」 「あ、名刺持ってるんで。どうぞ」 店長がいつも持ち歩けと言うのでいつも持ち歩いている名刺を渡した。 探偵は名刺をじっくり見ている。 「ふうん…シガツツイタチ…ジュンかな?」 「いやいや!ワタヌキって読むんですよ!」 「へえ、変わった名前だね。 仕事はコンビニでバイトか。実はうちもバイト募集してるんだ。働いてみない?」 絶対こいつのもとで働きたくないとジュンは思っていた。 この男からはやる気が全く感じられない。ナオちゃんとやらの気がしれない。 「はあ…まあ考えておきますけど」 そうこうしているとドアが開いた。ジュンの目に入ったのは短めの黒髪が似合う可愛らしい中学生くらいの女の子だった。
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