第四章:見舞

2/9
7930人が本棚に入れています
本棚に追加
/620ページ
こちらの現場にも何人か警官がいるようだ。 ジュンは近くの警官に話しかけた。 「あのー坂崎探偵事務所の者なんですが…」 「んん?ああ、猪野さんから聞いたよ。君がそうか」 「はい!公園の事件と何か関係してるんじゃないかなーって!」 「今の所は、特に関連性はなさそうだね」 「そうですか…一応事件の流れを教えてください」 「よし、ええと… 被害者は前川 虎之介。柳田組の構成員だ」 (同じ日に同じ組の人間がこんな近くで事件に…?こりゃ怪しいだろ!) 「怪しい気はするが関連性は未だ見つからないんだ」 「そうですか…被害者の方は亡くなったんですか?」 「いや、幸い軽い傷だ。近くの病院に入院してるよ」 「一応、話を聞いといた方が良さそうだなぁ。病院の住所を教えてください」 ジュンはメモの用意をしながら尋ねた。もうこういうのは慣れたのかもしれない。 「病院はこの近くの『桐咲病院』だ。知ってるだろう?」 桐咲病院といえばこの辺りで一番大きな病院だ。ジュンも行ったことがある。 「わかりました。あっ、そうだ。凶器は発見されたんですか?」 「いや、凶器はまだ見つかっていないんだよ」
/620ページ

最初のコメントを投稿しよう!