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「店長おはよーございます」
「ようジュン、おはよう。お前は仕事前はいつもかったるそうだが…なんとかならんか?俺まで眠くなるよ」
店長と呼ばれた四十代後半の中年は呆れた顔をしているがジュンは特に気にしていなかった。いつものことだ。
「お前ももういい歳なんだ…早く『将来の夢』ってのを見つけて真剣に働けよ!」
「は、はぁ…」
店長はジュンに会う度に同じ説教をしている。さっき言ったようにジュンにとってはこれも日課のようなもので特に気にはしない。
「大体だなぁ!」
「て、店長!とりあえず話は後で!着替えてきますから!」
ジュンは逃げるように着替えに行った。
日が暮れてくると空は曇りだし、今にも雨が降りそうな天気になっている。
16時だというのに外はもう暗い。
「これは一雨来そうだなぁ…あっ!
傘持ってきてない…!」
大学受験のシャーペンに比べればかわいい忘れ物だったがジュンの心はすでに大雨になっていた。
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