陰陽

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『翔くん寒い』 ベンチに座った可奈が寄添ってきた そっと肩を抱く   こんな外ではできないようなこと 生活圏外だからなのか   旦那への対抗心か?   『あったかーい』 力の抜ける笑顔   『翔くん?』   『ん?』   『ありがとう…大好き』 言っちゃいけないことを言ったという顔をして下を向いた可奈を俺は抱き締めた … 陰陽なんていい 人を想う気持ちは陽のはず 強い光は影をも消し去る 可奈の不安や怖さを俺が消してやる   『可奈…愛してるよ』  そっと耳元で囁く 可奈の耳が紅くなった  
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