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鉄の味
血の味
紅い味
血は嫌いだってば
旦那が寝息を立てているのを確認してこっそり着替えてあらかじめ用意していた荷物を持って
書き置きをしてわたしは外に出た
しばらく実家に帰ろう
父や母に会いたい
何よりこの人と一緒に居たくない
翔くんに
【今から実家に帰るね 夜中にごめん】とメールを送ってわたしは夜中に車を動かす
大嫌いな街の風景が流れる
翔くんに出会って少しだけ好きになった街
でもわたしは妻で嫁でしかない
悔しくて泣きながら運転した
思い知れ
わたしがどれだけ悲しかったか辛かったか
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