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木曜
翔くんが帰る日
『帰る…かぁ…』
わたしは一人呟いた
わたしの地元はここ
実家はここ
なのに
帰る場所は何処なの?
いけない
弱気になっちゃ
翔くんがくれた強さをわたしは無くしちゃいけない
今日で翔くんは戻るからちょっとだけ顔を出してから帰るってわざわざ連絡してくれた
夕方少しだけの逢瀬
『目が強くなったな』
『ん?』
翔くんがわたしを見つめて言った
『再会した時は寂しい目してたから…でも今はしっかりした目をしてる 前の可奈の目だよ』
なんだか嬉しい
『翔くんのおかげよ ありがとう』
『しっかりな 何かあったらすぐ連絡しろよ』
『うん…大丈夫 頑張るから』
胸元を握る
昨日の跡が力をくれる
軽く抱き締めあって翔くんは帰っていった
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