枯れゆく花に、水を

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「てっちゃん、妹の真里は学校に行ってるのよ。 どうして学校行かないの。」 母さんは、箸を下ろす。 僕も、箸を下ろす。 「理由なんてないよ。ただ行きたくないだけ。」 これは嘘ではない。 母さんは、黙って 僕の頭をぽんと触った。 「髪が伸びてる。床屋さん行かないとね。」
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