枯れゆく花に、水を

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私の母は、「僕」が学校に行かないことを 責めることは、 ほとんどなかった。 母は、五人姉弟の長女だった。 面倒見がよく、 思いやりがある。 正月やお盆に親戚が集まると、 皆、口々にそう言う。 それに対して母は、嬉しそうに笑っていた。 悪さをしたり、行儀が悪かったりすると頭を思いっきり叩かれたが、普段は、心優しい母だった。
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