雲に、身をまかせて

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明るさを、暗闇が追いかけていく。 日が暮れて、空は藍色へと染まっていく。 父さんが帰ってくる。 父さんは無口だ。 四人で夕飯を食べる。 真里が今日の出来事を、 順番も何もかも滅茶苦茶に話し出す。 残りの僕たちは、 それを笑いながら、 楽しい夕飯を過ごす。 涼しい風が、 頬を撫でる。 風鈴の音。 麦茶の苦さ。 混ざり合う笑い声。 夏の晩は、こうやって過ぎていく。
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