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水を一通り撒き終わった。
なんともいえない充実感。
額からは滝のように汗。
頭の上から太陽が自己主張。
もう昼になっていたようだ。
夢中になると、時間を忘れる。
散歩に出かけるつもりが、庭から一歩も出ることはなかった。
僕は庭でひとり、苦笑いを浮かべながら縁側に寝そべった。
気持ち良い。
空を眺める。
雲が雲を追いかけている。
白色の絵の具を、
青色の画用紙に塗りたくったような空。
雄大で、清々しい。
母さんの入院。
そんな不幸を一瞬でも忘れさせてくれる。
風鈴の音が、心地よく耳を撫でる。
チリンチリン・・・
波風のようにも聞こえる。
そういえば、去年の夏に
家族4人で海水浴に出かけたっけ。
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