枯れゆく花に、水を

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「哲弘、あんたいい加減に学校行きなさい。」 母さんが僕の聖域に足を踏み入れる。 毎朝の日課。 どすどすと音を立てて、 近づく。 そのたびに埃が舞い上がる。 カーテンから漏れる光が、埃をダイヤモンドのように見せてくれる。 きらきら 今日も僕は、問いに答えない。
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