闇の種

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1998年【春】          ドン!ドン!ドン!          「居留守使ってるの知ってるんだぞコラァ~ッ!出て来やがれ」    激しくドアが蹴られる所から1日が始まる。恭二と恭二の妹の美鈴は部屋で身を震わせていた。そんな2人に母親がそっと喋りかける。          「私のせいでこんな毎日が続いて本当にゴメン。来週引っ越すからそれまで我慢してね?」    恭二の家には多額の借金が有り、毎日、闇金融からの取り立てが絶えない日々が続いたのだ。    父親の残した借金……    これを母親が水商売で働きながら返済しているが、流石に母親の収入では限界があり、遂に夜逃げを決意していたのだ。    先程、部屋で身を震わせていた男の名前は斎藤恭二。    学校では成績トップクラスの恭二だが、自分に自信が無く内向的で神経質。学校でイジメにも遭い、完全に自分の殻に閉じこもった状態であった。    臆病な自分を憎み、そんな自分をどうしようも出来ない事を呪う。    しかし、この男……    後に闇の処刑人と称する程に成長。その後の生き様は過激かつ大胆であり、悪を巣喰う悪の道を真っ直ぐに突き進む。    この時、恭二は若干15才。          妹の美鈴11才。    母の美樹は35才。   
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