23人が本棚に入れています
本棚に追加
/30ページ
『サヤちゃん?シイ疲れた』
『サヤカも疲れた~』
『じゃあ、あそこの木の下で雨宿りしよっ!』
『うん!』
後10分位で、家に着きそうな所にその木はあった。その木はデカく、二人が入っても後何人かは余裕をもって入れる位の幅,高さがあり、地元では結構有名な木だった。
『サヤちゃんゴメンねぇ!ママが来れないから歩く事になって』
『大丈夫だょ!サヤカはシイちゃんと居れればそれで。それに、二人で帰るとかワクワクするし』
『そうだね。この雨いつ止むのかな?』
その時...
``ピカッ!ゴロゴロゴロッ!!!ガラガラガラッ!!!ドゴンッ''
『ぅわあぁ゛~!サヤちゃん大丈夫!?』
『...。』
話かけても返答が無い。振り返りもう一回!!!
『サヤちゃ...ん?』
一瞬、シノブの中の時間が止まった。嵐の後の静けさとでも言ったら良いのか。そこでシノブが見た光景は、まだ5歳の子供が見るにはあまりにも惨くて悲惨だった。
『サヤちゃんっ!!!』
そこで目にしたのは、サヤカのあまりにも変わり果てた姿だった。全身に傷が付き血が流れ、シノブの前を煙が通り過ぎて行った。
『ぃやあぁっ~!!!』
最初のコメントを投稿しよう!