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``ピーポーピーポーピーポー''
サヤカは即死だった。
シノブはまだ5歳にして人の死を体験した。それも自分の目の前で...。そして、大好きだった幼馴染みの死を隣に居た自分は怪我一つなく、幼馴染みのサヤカだけ死んだ事を悔やんだ!
『シイ!!!』
誰かに名前を呼ばれた気がする。母親だった。母親はシノブを泣きながら抱き締めた。
『ゴメンね。ゴメンね!!!』
ただただ、シノブを抱き締めて泣きじゃくり謝った。
『ママが全部悪いの。本当にゴメン...。』
『高橋さん!?』
サヤカの母親だった。
『高橋さんが悪いんじゃ無い。これは、サヤカの運命だったんです!サヤカが産まれた時から決まってたんです』
『運命?』
その言葉を聞いて、今まで涙一つ流さなかったシノブの目から一粒の涙が頬を伝った。
そしてその言葉を最後にシノブの心は闇を彷徨い次第に、言葉を無くし笑顔を無くし引きこもり、自分の殻に閉じこもった。
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